最近「昭和・平成レトロブーム」が盛り上がっている。
純喫茶と呼ばれるような渋い喫茶店や、レコード、使い捨てカメラやチェキが若者の間で人気となっており、最近では新店舗にもかかわらずあえて昭和風にした飲食店、光漏れ機能をあえて搭載したチェキが発売されるほどだ。
今回、我々はそんなレトロブームに便乗することにした。
ご協力いただいたのは、SNSでノスタルジックな下町写真を投稿しているフォトグラファー、與曽井(よそい) 陽一さん。
與曽井さんは、フィルムカメラを使用して、まるで昭和に撮影された写真かのように下町のなんでもない光景を切り取る。
大阪#film pic.twitter.com/pfseSb9doM
— 下町ノスタルジー (@yosoichi99) October 9, 2021
偶然にも幼い頃、亀戸に住んでいたそうで、現在も亀戸近辺にお住まいとのこと。
與曽井さんにノスタルジックな写真の撮り方とともに、亀戸におけるおすすめスポットをお聞きした。
「本日はよろしくお願いします。突然ですが、スマホやデジタルカメラが当たり前の今、あえてフィルムカメラにこだわるのはなぜですか?」
「デジタルで撮影した画像をレタッチでレトロ風にすることもできますが、やはりフィルムにしか出せない味があるからです。今回は、CONTAX 139 Quartzという40年ほど前に発売されたカメラを持ってきました。また、レンズはcarl zeissというドイツメーカーの単焦点レンズです」
CONTAX 139 Quartz。1979年に発売された世界初のクオーツ制御によるAE(露出を自動で行なう機能)搭載一眼レフカメラ。
「ノスタルジックな雰囲気を出すためには、こうしたカメラが必要不可欠ですか?」
「フィルムには適いませんが、スマホでもコツを掴めば、よりレトロ風に撮影することができます。実際に亀戸をまわりながらコツをご紹介しますね」
「亀戸でノスタルジックな写真を撮影するのにおすすめなのが、亀戸香取勝運商店街、亀戸5丁目中央通り商店街、亀戸3丁目周辺の住宅街の3つです。今日はここ亀戸3丁目周辺の住宅地と亀戸香取勝運商店街をまわっていきます」
「昔ながらの商店が並ぶ商店街は分かるのですが、亀戸3丁目の住宅街ですか?」
「亀戸3丁目は昔、花街だったエリアなんです。例えばこの建物、塀が高くなっていますよね。おそらく以前、料亭かなにかだった建物のはずです」
「確かに!本当に亀戸にお詳しいんですね」
「実は幼い頃、この3丁目に住んでいたんですよ。当時からあった古い建物が今も多く残っています」
【與曽井さん提供画像】
「すごい、令和の時代に撮影した写真とは思えない・・・。今までは古い建物が多い場所だなくらいにしか思っていませんでしたが、こうして写真になってみると、なぜだか懐かしい気分になりますね。そういえば、なぜ下町ノスタルジーというテーマで写真を撮り始めたんですか?」
「数十年この辺りに住んでいたこともあり、子どもの頃に見た亀戸や下町の光景を写真という形で残しておきたいと思ったからです。この辺りはまだ古い建物が残っている方ですが、それでも建て替えなどによって徐々に下町感がなくなってきていますからね」
「その当時を知らないはずの、若者の間でレトロがブームになっている理由はなんだと思いますか?」
「私のように当時を懐かしむ感じ方とは違って、今の若い人は新鮮に映るんでしょうね。昔は主流だったフィルムカメラが、時間が経って『古くて目新しい』と注目を浴びているのと同じだと思います。私は非常に嬉しく感じますね。そうそう、懐かしいと言えば、カメイドタートルズですよ!」
「え、うちのサイトってまだ2年しか運用してないですよ」
「実は、私の父親が所属していた草野球チームの名前がカメイドタートルズだったんです!今はもう解散しちゃったみたいですけどね」
「全く同じ名前だったんですか!すごい偶然!でも、まあ・・・亀戸だからタートルズ。安直なネーミングなので、そりゃかぶることもあるか・・・。駅前通りにもタートルズっていう名前の歯医者さんがあるくらいだし・・・」
「着きました天祖神社です。ここでノスタルジックな写真のコツをお教えしますね」
一部、話が脱線してしまったが、後編ではスマホでも実践できるレトロ撮りのコツを紹介する。
スポット紹介
スポット名:江東天祖神社
住所:〒136-0071 東京都江東区亀戸3丁目38−35
アクセス:JR総武線「亀戸」駅 より徒歩17分
営業時間:9時~17時
Edit by カメイドタートルズ編集部