グランドオープン直前のカメイドクロック。「ライフ」「ユニクロ」「スターバックス」などの全136店舗が入る大型商業施設である。
亀戸ホルモンの名店 初代吉田で修業を積んだオーナーが手掛ける「焼肉ホルモン魂」や、亀戸在住のオーナーが経営するイタリアン「MISIA」、「元祖くず餅 船橋屋」など亀戸の名店が軒を連ね、かつて住民たちに愛されたサンストリートに代わる亀戸の象徴になるであろう施設だ。
そんなカメイドクロックに出店した、亀戸を代表する老舗である船橋屋に開業直前のタイミングで取材をさせていただいた。
まず船橋屋とは
今から200年以上前に創業
船橋屋は、江戸時代である1805年に亀戸で創業した。船橋屋初代の勘助がくず餅を販売したのが始まりである。
勘助の出身は下総国(現在の千葉県北部)で、良質な小麦の産地だったそう。梅や藤の季節には大勢の人で古くから賑わっていた亀戸天神を訪れ、その様子を見て亀戸に出店を決めた。
明治初頭には、かわら版「大江戸風流くらべ」において、江戸の甘いもの屋番付で「横綱」としてランクイン。名物の甘味になっていった。
また芥川龍之介、永井荷風、吉川英治ら文化人の方々もしばしば足を運んでいたという。亀戸天神付近にある船橋屋本店には、吉川英治が残した唯一の大看板や、芥川龍之介が定席として使っていた座席が現在まで残っている。
吉川英治の大看板
くず餅の名称には「餅」と入っているが、通常の餅のようにもち米を使用しているわけではない。また関西で一般的な葛粉から作る葛餅とも違う。船橋屋のくず餅は、湯で練った小麦でん粉をせいろで蒸しあげ、黒蜜ときな粉をかけて提供する。
江戸時代に多くの参拝客が購入し、いつしか「くず餅」と名付けられるようになったそうだ。
現在、船橋屋が提供しているくず餅は、様々な試行錯誤の末に約450日間もの期間をかけて発酵・製造しているという。江戸時代から代々受け継がれてきたこの発酵製法は船橋屋の命だと公式HPで語っている。
広報ご担当者さまとカメイドクロック店 店長にインタビュー
カメイドクロック出店に関して、船橋屋の広報 月岡さんとカメイドクロック店 店長の髙橋さんがインタビューに答えてくださった。
左から店長の髙橋さん、広報の月岡さん。
———カメイドクロックへの出店はどうやって決まったのでしょうか
「ありがたいことに、カメイドクロックさんからお声がけいただきました。今年で創業217年ということもあり、亀戸といえば船橋屋と考えてくださったんだと思います」
———カメイドクロック店ではどんな商品を取り扱っているんですか?
「首都圏を中心に展開する店舗と同様にくず餅を販売していますが、飲むくず餅乳酸菌を使用したくず餅ドリンクも販売する予定です」
———くず餅のドリンクということですか?
「はい、その通りです!今までのくず餅は食べるイメージが強く、お土産として買われていくお客様が多かったんです。ですが、このカメイドクロック店では新たなくず餅の側面、発酵の部分を知ってもらいたいんです」
———サンストリート跡地にできるカメイドクロックですが、当時船橋屋は出店していなかったんですか?
「実はサンストリート時代にCafe KAN サンストリート店という名で出店していました。カフェスタイルで営業していましたが、くず餅も販売していましたよ。なのである意味、カムバックなのかも知れませんね」
定かではないが、船橋屋の創業者「勘助」から「KAN」をとったのだろう。
———カメイドクロックへの出店を発表した際、お客さんから反響はありましたか?
「ありました。一番多かったのは、あのサンストリート跡地のところに船橋屋さんも入るんだねというものですね」
———ちなみに、髙橋さんはカメイドクロック店の店長になる前は、どこの店舗で働かれていたんですか?
「以前は日暮里駅の店舗で働いていました。そこでは月岡さんが言っていたように、お土産として購入してくださるお客様が多かったんです。カメイドクロック店の店長に任命された時、サンストリート跡地にできるカメイドクロックでドリンクカウンターのある新店舗形態になると聞いて、非常にワクワクしましたね」
———確かに、亀戸にある店舗にはドリンクカウンターはなかったですね
「はい!カメイドクロック店ではくず餅はもちろんのこと、飲むくず餅乳酸菌と4種類のドリンクを販売する予定です!」
後編では販売するドリンクの詳細や、カメイドクロックに対する思いをインタビューしていく。
スポット紹介
スポット名:船橋屋 カメイドクロック店
住所:〒136-0071 東京都江東区亀戸6丁目31−6 カメイドクロック 1F
アクセス:JR総武線「亀戸」駅 東口 徒歩2分
開業:2022年4月28日(木)
Edit by カメイドタートルズ編集部