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  • >【おもしろクイズもあるよ!】若手落語家・林家たま平さんと、呑ん兵衛の魔境「亀戸横丁」をハシゴ酒!(前編)

最近、テレビの企画などでも人気のハシゴ酒。我らが亀戸にもそんなハシゴ酒がしたくなる恰好のスポットがあることをご存知だろうか。亀戸駅北口から徒歩3分にある「亀戸横丁」は、国際色豊かな居酒屋やバルが15店舗集まる亀戸の呑ん兵衛たちの聖地。老若男女、常連さんから一見さんまで吸い寄せる酒場には、聖地というよりむしろ「魔境」という言葉が似合うかもしれない。

ある日の夕方、その亀戸横丁の前に一人の男の姿が。

この筋骨隆々な背中と腕。どこかで見たことがあるような…?

その男の正体は……、落語家の林家たま平さんじゃないですか!

《Profile》
林家たま平
1994年東京生まれ。落語家。落語界の名門・海老名家に生まれ、2013年に父である9代林家正蔵に入門。2014年に前座となり、2017年に二ツ目に昇進。2019年にはTBS放送のドラマ『ノーサイド・ゲーム』の佐々一役で俳優デビュー。現在はbayfmで毎日16時から放送中のラジオ番組『The BAY☆LINE』でも水曜日パーソナリティとして活躍中。今後、落語界で最も飛躍が期待される二ツ目のうちの一人。

「亀戸には、カメリアホールで落語会をさせていただくために何度も来たことがあります。いつも簡単な打ち上げをして帰る程度ですが、こんなに飲み屋さんが多いなんて知りませんでした」

昨年放送され、国民的なラグビー人気を盛り上げたドラマ「ノーサイド・ゲーム」で新人スクラムハーフの佐々一役を演じ、俳優としても活躍するたま平さん。チームの中心選手として成長していった佐々の姿に感動させられた人も多いのでは。

今回は、久しぶりに亀戸を訪れた印象をそう語ってくれたたま平さんと亀戸横丁をハシゴ酒体験。亀戸のディープな世界を堪能する。

しかしながら、せっかくたま平さんをお招きしたのに、普通に亀戸横丁を周るのではつまらない。そういうわけで、今回は落語家のたま平さんを出題者にして、こんなクイズ企画を用意した。

《扇子で表現! 自慢の一品、これなーに?》
落語の高座において、いろんなものを表現するための重要な小道具である扇子。その表現力を用いて、たま平さんが亀戸横丁のお店が提供する「自慢の一品」を紹介する。たま平さんの仕草を見て何の料理かを当ててみよう!

なお、どういう料理が出てくるかは、お店とも前打ち合わせなし。本番で出てきたものをたま平さんに表現していただくという、我々にも予測不能なムチャぶり企画なのだ。

それでは亀戸横丁にレッツゴー!

焼き鳥1本39円から! 超価格破壊な“せんべろ”居酒屋の「アレ」

赤提灯がぶら下がった入口をくぐると、昭和が帰ってきたかのようなノスタルジックな光景。それでいて今時風のバルや行列を作るラーメン店も混在しているカオスな空間だ。

一軒目に訪れたのは、入り口すぐそばにある「大衆焼き鳥酒場 やきとりさんきゅう亀戸本店」。焼き鳥が何と一本39円(税抜)から食べられるという“せんべろ酒場”だ。

真剣な眼差しでメニューを吟味するたま平さん。そうしているうちに、さっそく1杯目のビールが到着。乾杯の後のひと口目で「あ〜、うまい!最高!!」と早くもご満悦の表情を見せる。

そして、最初の「自慢の一品」が登場。それでは調子の出てきたところで、一問目のクイズをお願いします!

さすが、高座で鍛えられた技術は伊達ではない。仕草を見ているだけでお酒とつまみが欲しくなりそうな表現力。きっと、最初のクイズは皆さんにとってもウォーミングアップ程度のイージーな問題だったはず。

答えはこれ!

焼き鳥5本盛り合わせ(税抜195円)

もも串、ねぎま串、鳥皮串、つくね串、ぼんじり串など、8種の部位から5本が選べて何とアンダー200円。あまりの安さに「そんなに安いと一軒目から食べすぎちゃうよ!」とたま平さんも驚き。

オーナー曰く、安さの秘訣は「たくさんの人に安く飲んでいただきたい」というシンプルな思いから来る企業努力なんだそう。一品料理も税抜199円均一で信じられないくらいのコスパだ。

オーナーともすっかり仲良くなり、もうここでまったりしたいところだが、今回はあくまで体験ということでテンポ良く次のお店へ…と思ったが、急かそうとする我々の声に「まだ、レモンサワーが残っているでしょ!」とたま平さん。どうやら1軒目で早くも呑ん兵衛モードにスイッチが入ったご様子(笑)。

静岡LOVEな居酒屋で、静岡名物の「アレ」にたま平さんも感動

次に訪れたのは、静岡県焼津市出身の店主が地元名物を中心とした料理を出している「居酒屋 焼津荒祭り」。カウンターのみの店構えは、横丁内の店の中でも客と店主との距離が近い。

せっかく“静岡”に来たということで、たま平さんは緑茶ハイをグビグビ。「もちろん静岡茶で割ってますよ!」と店主が胸を張る自慢の一杯だけに、ジョッキを手にするたま平さんの表情にも力がみなぎる。

しかし、クイズのお題となる自慢の一品が出てきたところで、「これ、どう表現しようかなぁ〜?」と困惑の反応を見せる。それもそのはず、東京ではなかなかお目にかかれない静岡名物。店主の説明を聞きながらひと口味見してみるも、頭の上に「?」を浮かべながら、しばらく黙考。

果たして落語家・林家たま平は、この未知の食べ物をどう表現するのか?
それでは2問目のクイズに行ってみよう!

どうだろう、答えは分かっただろうか。おそらく静岡名物の静岡おでんを食べたことがある方ならわかると思うのだが…。

注目の答えはこれ!

黒はんぺん(380円)

落語会で静岡県を訪れることが多いたま平さんでも、この黒はんぺんは初遭遇。黒い理由はイワシのすり身を固めたものだから。地元では、そのまま焼いたり、おでんの具にしたり、あるいはフライにしたりと、ご飯のおかずにもおつまみにも重宝される万能食材だという。

出題のプレッシャーが解けたところで、焼津から取り寄せている自慢の一品を改めてパクリ。

「これ本当においしい。う〜ん、超旨いね」

先ほどまでの悩ましい表情と打って変わってリラックスした状態で、一枚一枚を噛み締めるように感動のコメント。あっという間に完食してしまう勢いだ。

そして「実は、黒はんぺんには日本酒が合うんですよね…」と店主が静岡の地酒・磯自慢を取り出してきたところで残念ながらタイムアップ。「もう行きますよ〜」と、一升瓶に目を光らせるたま平さんの肩を叩き、次のお店へ…。

揚げたてアツアツが最高に旨い「アレ」をたま平さん絶賛

ハシゴ酒3軒目は、まだオープンから1年半ほどの「大衆酒バル 酒様」へ。緑中心の内装や観葉植物がキャンプのような雰囲気を演出。亀戸横丁の中庭的な立地でテーブル席も多いので、グループでワイワイできる雰囲気のおしゃれバルだ。

ここでは、お店イチ押しの「梅酒」(480円)をロックで注文。2年熟成させた手作り梅酒に「すごく飲みやすい〜」とたま平さん。

同年代の店主と取り留めのない会話が続いているうちに「自慢の一品」がテーブルに到着。とてもシンプルなメニューながら「これも、なかなか難しいぞ」とたま平さん。

この問題は扇子なしでトライ!

ものすご〜くアツアツ感が伝わってくるこのメニュー。若者に人気というあたりが大きなヒントなのだが…。

果たして、おわかりいただけただろうか? 答えはこちら!

フライドポテト(1グラム2円〜)※写真はアンチョビバター付きで1グラム3円〜)

このポテト。なぜグラム売りかといえば、それは生のジャガイモを丸ごと使っているから。気に入った大きさのジャガイモを選んで店内のプレス機でカット。それを揚げたての状態で頬張るのだから、おいしいに決まっている。トッピングのアンチョビバターとも間違いなくベストマッチ。たま平さんも「これお酒にも合う!」と、アツアツポテトを取る手が止まらない。

一方、カウンター席には謎のベルが。「何だこれ?」とそれを手にするたま平さん。しかし、添えられたメモには「男気ベル。このベルを鳴らしたお客様は、店にいるすべての方々にテキーラを奢っていただきます」という文字…。それを見て「それはやめて〜」と咄嗟にたま平さんの手からベルを奪う我々(笑)。

早くも3店舗をハシゴ酒して、「本当に楽しい。もう俺は吉田類さんになりたいよ〜」と伝説の酒場詩人の名前を挙げながら夢見心地な様子のたま平さん。だがしかし、この後さらにディープな亀戸横丁の世界、そしてラテンな人々の衝撃が彼を襲うのである…。

後編へ続く。

《本記事で紹介しているお店の店舗データ》

亀戸横丁
所在地:東京都江東区亀戸5丁目13−2 スクエア三報ビル 1F
公式ホームページ

大衆焼き鳥酒場 やきとりさんきゅう亀戸本店
TEL:03-6876-1118
営業時間:17:00〜24:00(土・日曜、祝日は16:00〜。フード23:00LO、ドリンク23:30LO)
定休日:不定休
公式ツイッター

居酒屋 焼津荒祭り
営業時間:17:00〜23:00(水曜〜土曜は〜翌日6:00)
定休日:不定休

大衆酒バル 酒様
TEL:03-6882-2227
営業時間:起きてから寝るまで
定休日:遊びに行く日
公式ホームページ

Edit by カメイドタートルズ編集部