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  • >【後編】女性編集者の私が亀戸でイケメンとデートした結果…

前回までのあらすじ〜

たまたま知り合った亀戸育ちのイケメン『亀戸勧(かめと すすむ)』に案内され、初めての亀戸デートを楽しんでいたカメイドタートルズの女性編集者・まゆこ。

 

しかし、夜になって謎の目まいがまゆこを襲い、気絶。

 

目を覚ましたまゆこだが、なぜか時間は初めてイケメンと出会ったタイミングまで巻き戻されていた。

この亀戸デートの1日は永遠にループされることになるのか? まゆこの運命はいかに。

前回の記事はコチラ

 

謎のループ。2回目の亀戸デート

(ここは… 例の鯉がたくさんいる公園ね。確か名称は竪川河川敷公園)

 


「おーい、まゆこちゃーん。こっちに来てみて!」

 


「見て! たくさんの鯉がいるよ!」

 

(ここまではまったく前回と同じ展開…)

 

「…本当だ。鯉、いるね」


「この竪川河川敷公園は2.4kmの細長い公園で、首都高速道路7号線の高架下にあるため…」

「少しぐらいの雨なら気にせず外遊びをすることができるんだよね。道路が雨よけになるから」


「…うん。そうなんだ」

 


「あれ? もしかしてまゆこちゃん、鯉が苦手?」

「ううん、なんで?」


「すごく虚ろな目をして鯉を見てるから、嫌いなのかなって」

「そんなことないよ。鯉は大好きだし、広島カープファンだよ」


「そっか」

 


「………。」

「え? なに?」

 


「よしよし」

(!?


「まゆこちゃん、今日は亀戸の街を楽しんでね」

「ちょ、おま」


「あ、ごめん、急に頭を触ったりして。びっくりした?」

「…ちょっとびっくりしたかな」


「まゆこちゃん疲れてるみたいだね。少し休む? もうランチにしようか?」

…え? もうランチ? カフェには行かないの?」


「カフェに行きたいの? それならカフェレストランにする?」

「あ、ううん、大丈夫。私は大根料理とかでも良いよ

 

 


「よし、それじゃあ行こうか。亀戸にはオススメしたいランチのお店がたくさんあるんだ」

「それは楽しみ… きゃっ…!」

 

 

ガシッ

 

 


「おっと、危なかった」

「…ごめんなさい! 足を滑らせちゃって」


「雨で階段が滑るから気をつけてね」

「…心配してくれてありがとう。助かったわ」


「万が一、キミの不注意で怪我でもされたら…」

「うん。気をつけるね、亀戸に苦い思い出を残さないように」

 

 

 

(あれ? 前回とランチのお店が違う。オシャレで素敵な外観…)

 

(料理もすごくオシャレ)

 

(本格的なイタリアンが食べられるお店って感じね)

 


「ハフッ ハフッ。このマルゲリータ、焼きたてでチーズがとろ〜り溶ろけて、最高!」

「美味しそう。私も食べたい」


「ハフッ ハフッ。まだちょっと、まゆこちゃんには熱すぎて食べられないかも」

(え?)

 


「こっちのパスタもすごく美味しいから、先に食べてみて」

「うん、ありがとう」


「この店、Osteria Hana(オステリア ハナ)は全席ソファーダイニングで、まるで友人の家に来たかのように落ち着いた雰囲気で食事が楽しめるレストランなんだ。個室やレースカーテンで仕切る半個室もあって、記念日のお祝いなどでも利用しやすいんだよね」

「内装もオシャレだし、若い女の子にも人気ありそうなお店だよね」


「オシャレ=若い女の子っていう先入観は亀戸には通用しないよ」

「え?」


「実際、ここのお店は老夫婦とか子ども連れとか、老若男女を問わない人気なんだ。もちろん若い女の子にも人気だろうけど、亀戸のオシャレスポットは若者だけのものじゃないってことさ」

「そうなのね。わかったわ」


「そうやってすぐ、流行とか新しくてオシャレなものは若い女の子、って結びつけて考えるのはやめて欲しいね。亀戸っていう街は下町としての伝統が…」

「わかった、わかった。わかりましたから」


「あ、そうだ。ここのドルチェもすごくオススメなんだけど、近くにスイーツのお店があるから、そこで食後のデザートでもいかがかな?」

(船橋屋さんのくず餅のことかな?)

 

 

 

(あれ? また違うお店だ?)

 

(マシュマロ専門店なのかな)

 

(これが普通のデートだったら、スポットとして最高なのに)

 


「ふわっふわ! すごく気持ちいい食感で、口の中に入れた瞬間に溶けるよ!」

「美味しい。こんな大きいマシュマロ、初めてかも」


「ましゅまろ亭のマシュマロはテレビなどでも取り上げられている注目のスイーツなんだ。ここのマシュマロを求めて全国からスイーツファンが亀戸に集まってくるんだよね」

「たしかにマシュマロ専門店って珍しいよね。お土産にも喜ばれそう」


「そうだ、せっかくだからマシュマロにも合いそうな黒糖タピオカミルクでも飲もうか。亀戸にもタピオカドリンクのお店はたくさんあるんだよ」

「亀戸ってタピれる街なんだね」

 

 

 

(なんだろう。前回と巡るお店がまったく違う。ジャンルというか傾向というか)

 

 

 


「どうだい。亀戸っていい街だろ?」

「うん


「昔ながらのレトロな魅力もあれば新しくてオシャレな魅力もある。それが亀戸の街なんだよ」

「そうだね。昔ながらの純喫茶もあれば、創業100年、200年以上の老舗もあって、江戸野菜や伝統工芸品もある。かと思えば老若男女に人気のオシャレなカフェレストランや新しいスイーツのお店、そして流行りのタピオカもあって…亀戸って本当に色んなスポットがあって、デートをする場所としても良いね」


「さて、これからどうしようか。 とりあえず、そろそろいっちゃう?」

「うん? いっちゃうって?」


「…お酒、いっちゃう?」

「え? う、うん。行ってみようかな」

 

 

(なるほど…)

 

(だんだんわかってきたわ…)

 

(この謎の1日の正体が)

 


「この店は珈琲道場 侍。コーヒーとお酒が楽しめる店で、午前1時までOPENしているんだよ」

「嬉しい。ここ、来てみたかったんだ」


「夜、お酒の時間帯になると雰囲気が変わって大人のBarになるんだ。でも、Barになっても変わらずコーヒーが注文できるので地元の僕たちからは重宝されているよ。珈琲道場の名に恥じない、抜群にうまいコーヒーが飲めるしね」

「そうなのね。でも、今はとりあえずお酒を飲みたいわ」


「じゃあ、僕はマティーニでも頼もうかな」

「一杯目からマティーニ?」


「ダメなの?」

「…いいえ、好きなものを頼めば良いと思うわ」

 

 

亀戸の夜に乾杯

 


「亀戸の夜に」

「乾杯」

 

「今日は本当にありがとう。…いいえ、『2日続けてありがとう』と言うべきかしら?」

 


「ん? なんのこと?」

「最初は私だけがこの『亀戸の雨の1日』をループしているのかと思ったわ。でも、そうじゃなかった」


「1日をループ? なんの話をしているんだい?」

「私が階段で足を滑らせた時、あなたは私の手を掴むのが異様に早かったわ。まるで足を滑らせることがわかっていたかのようにね」

 


「…なんの話かわからないな。まゆこちゃんはSF小説が好きなの?」

「ランチでピザを食べようとした時、なぜかあなたは私が猫舌なのを知っていた。まるで私と以前、食事を共にしたことがあるかのようにね


「………」

「…そろそろ教えてくれるかしら? あなたの本当の正体を


「………外に出ようか。どうやら僕にはマティーニが強すぎたみたいだ」

 

 


「夜の竪川河川敷公園も良いだろう? また雰囲気が違って」

「そうね。なかなかロマンチックだわ


「…いやぁ、驚いたよ。たった1日ループしただけで僕の正体を見破った女性はキミが初めてだ」

「他にもいるのね。私みたいに時間を巻き戻された女性が

 


「…僕は亀戸の魅力を色んな人に知って欲しくて、出会った女性はすベてデートに誘い、今日みたいに亀戸を案内してきたんだ。この街を好きになってもらおうと思って」


「でも亀戸という街はオススメのスポットやお店が多すぎて、とても1日では案内しきれない。昔ながらのレトロな魅力もあれば、新しくてオシャレな魅力もあるからね」


だから時間を巻き戻して1日をループさせようと思ったんだ

ヤバイ人ね

 


「僕がこの『時間を自由に巻き戻せる能力』に目覚めたのは18歳の時。驚いたよ。自分がまさか、こんな神にも等しい力を手に入れるなんてね」


「この能力があればなんでもできる。…愚かな者はこの力を使って権力や富を手中に収めようとするだろう。だが、僕はそんなものに興味はない」


だから亀戸の宣伝に利用したんだ

絶対、もっと他に良い使い道があるよ

 

 

 


「ありがとう、まゆこちゃん。亀戸に来てくれて」

「亀戸くん… 今度はもっと、普通のやり方で案内してくれれば良いからね?」


「ごめんね、迷惑をかけて」

「そんなことない。ちょっと驚いたけど、いい思い出になったよ」


「亀戸の街を少しは好きになってくれたかな?」

「うん。まだまだたくさんの魅力がありそうだし、私も亀戸のことをもっと勉強するね。カメイドタートルズで色んな情報が発信できるように」

 


「…まゆこちゃん。そろそろいいかな?」

「ちょ!? 亀戸くん?」


「…これで終わりにしよう。今日という一日を」

「待って! 顔が! 近い近い!

 

(…あ)

 

 

 

(また急に目がかすんで…)

 

 

 

(亀戸くん、ありがとう… 初めての… 亀戸デート)

 

 

 

(なんだかんだ… 楽し… かっ…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…って、戻るんかーい!!!!!!

 

 

 


「おはよう、まゆこちゃん」

おはよう、じゃないよ! めっちゃループ止まる流れだったじゃん!?


「いや? 正体を見抜かれたぐらいでループは止めないよ? だって、まだ案内できていない場所がたくさんあるし」

亀戸に対する愛が異常すぎる!


3日目の亀戸も雨だね

永遠に雨だよ!同じ1日をループしてるんだから!

 


「さて、今日はどこに行こうか? 亀戸の街を楽しもうね!」

「…ランチは餃子が良いわ」

 

-完-

 

スポット紹介

スポット名:竪川河川敷公園

住所:〒136-0071 東京都江東区亀戸6丁目33-10
電話番号:03-5875-2319
アクセス:JR総武線「亀戸」駅 徒歩10分
営業時間:6:00~22:00

店名:イタリアン 亀戸 Osteria Hana
住所:〒136-0071 東京都江東区亀戸1丁目36−4
電話番号:050-3468-2825
アクセス:JR総武線「亀戸」駅 徒歩10分
営業時間:月〜土11:00〜15:30、17:00〜23:00 日11:00〜22:00

店名:洋菓子処 ましゅまろ亭
住所:〒136-0071 東京都江東区亀戸6-22-8 1F
電話番号:03-5836-3232
アクセス:JR総武線「亀戸」駅 徒歩5分
営業時間:11:00~18:00
定休日:火曜日

スポット名:珈琲道場 侍

住所:〒136-0071 東京都江東区亀戸6丁目-57-22 サンポービル2F
電話番号:03-3638-4003
アクセス:JR総武線「亀戸」駅 徒歩1分
営業時間:8:00~25:00
定休日:日曜日

Edit by カメイドタートルズ編集部