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  • >【前編】女性編集者の私が亀戸でマッチョとデートした結果…

私は『まゆこ』。カメイドタートルズの編集者になって半年が経ち、仕事にもようやく慣れてきた23歳女性。

とはいえ、まだまだ亀戸初心者の私は、日々勉強中の身。

今日は編集部宛にメールを送ってきてくれた男性と亀戸駅前の公園で待ち合わせをしているんだけど、もう先に着いているかしら? 初めて会う人だから、緊張するわ。

 

亀戸で待ち合わせといえば、羽亀前。渋谷でいうところのハチ公前みたいなものね。

 

(あ、この人かな? すごく体格が良いというか、マッチョな男性ね)

 

(すごく時間を気にしている様子だし、どうやらこの人で間違いなさそう…)

 

(ん? あれれ?)

 

(…この人、よく見たら腕時計をつけてないわ)

 

 

 

(時間じゃなくて前腕筋をチェックしているだけだ!!!)

 


「あ! もしかして、カメイドタートルズのまゆこちゃんですか?」

「は、はい。まゆこです」


「初めまして、メールを送らせていただいたマイケル亀岡です。今日はぜひ、まゆこさんに紹介したい亀戸のオススメスポットがありまして」

「それはそれは、嬉しいです。私、まだ亀戸のことにそこまで詳しくなくて…」


「せっかくなので、今日はデート気分で楽しみましょう! といっても、僕とまゆこちゃんじゃ親子ぐらいの歳の差はありますけど(笑) まぁ、よろしくお付き合いください」

「デ、デートですか。そう言われるとなんだか緊張しちゃいますけど…」


「大丈夫ですよ、リラックスリラックス。肩の力を抜いていきましょう!」

「は、はい! よろしくお願いします!」


「じゃあ、ここからはお互いタメ口で! 僕も今からデートモード入るから、ほら、笑って笑って!」

「デートモードって(笑) ふふふ、面白い人」


「いいね、その笑顔! その調子でいこう!」

 

(亀岡さん… すごくマッチョな感じだけど、悪い人では無さそう。今日はどこに連れていってくれるのかな?)

 

 

マッチョと亀戸デート

 

(ここは… 池かな? なんだか緑もたくさんあって、良い感じの場所ね)

 


「どうだい? 自然がたくさんあって、良い場所だろう?」

「うん。緑があると気分が落ち着くね」


「ここは亀戸天神社といって、亀戸でも有数の神社でありながら、自然を満喫するのに絶好のスポットなんだよ」

「あ、ここは亀戸天神社の敷地内か。そう言われてみれば、さっきすごい立派な鳥居をくぐった気がするわ。カメイドタートルズでも何回か紹介しているパワースポットなのよね」


「あ、ほら、見て。あそこ」

 

「あら、野生のスズメね」

 

「わあ! 水浴びしてる〜! カワイイ〜」

 


「夏だからね。スズメも暑さから逃れるために、この亀戸天神社に集まるんだよ。ここには水と緑がたくさんあって、涼しさを感じることができるから」

「梅雨も明けるし、夏の暑さが本格的に牙を剥くところだから、涼しい場所は良いね」


「ねぇねぇ。まゆこちゃん」

「なぁに?」

 

 

 

シュッ シュッ〜!!! プシュ〜!!!

「は? ちょ、ちょっと!? 亀岡さん、なにしてるの?」

 

 

 


「ああ〜! 気持ちいい。避暑力、上がるわ〜!」

「いや、意味がわかりませんけど!?」

 

 

 


ファンタスティ〜ック!!!

 

 


「ほら、見て。筋肉に潤いを与えると輝くだろう?」

「あの、なにがなんだか」

 


「というわけで、今日のテーマは避暑地です」

「ひしょち?」


「今回のデートでは、まゆこちゃんに紹介したい亀戸のオススメ避暑スポットを巡るんだ」

「………嬉しい。今年の夏は雰囲気的に都内から出られないと思っていたけど、亀戸で避暑ができるとなれば話は別よ」


「いや、そもそも亀戸は東西南北を河川に囲われた水の都なんだよ。水=涼しいという理論ならば、避暑地としてのポテンシャルは本来、軽井沢にも負けていないんだ」

「そうなのね。確かに、なんだか川が多いなって思っていたけど」


「川が多いということは水場が多いということ。今日は、そんな避暑地としての亀戸の魅力を掘り下げていければと思うよ」

「へ〜、楽しみ! …でも、それならせっかくなので浴衣とか着たかったな〜」


「まゆこちゃんの浴衣姿も見たかったけど、それはまたNEXTで」


「さあ、天神様にお参りしようか。筋肉も整ったことだし」

「うん」

 


「おっと、階段があるね。少し濡れているから滑るかも知れないね」

「怖い。濡れた階段ほど恐ろしいものは無いわ」


「気をつけて、ゆっくり登ろうね」

「ありがとう きゃっ…!」

 

 

 

「ほら、危ない」

「うん。ごめんね」

 

(階段で足を滑らせた私に差し出した彼の手。その先にある腕の筋肉は頼もしく、男らしさを感じた)

 


「だから言ったじゃん。濡れた階段は滑るから気をつけてって」

「うん、そうだね。私、注意が足りなくてごめんね」


「さあ、天神様にご挨拶をして次の避暑スポットに向かおう」

 

 

 

(あれ? なんだか、前にもこんなことがあった気がするけど…)

 

 

 


「さあ、ここが今、亀戸でもっとも話題の避暑スポットだよ」

こちる… カワイイ感じのお店ね」

 


「ここでは最高に美味しい無添加フルーツジュースがいただけるんだ。中でも、この夏にオススメのとっておきのメニューがあってね」

「うん?」

 


「しっ。 声が大きい」

「え? な、なに? 誰かに聞かれたらダメな話なの?」


「そうさ。この店にはメニューに書いてない裏メニューがあるんだ。だからナイショの話…」

 


避暑避暑(ヒショヒショ)話というわけさ

「え、なに? …なんて?」


「もし、この情報が亀戸の外に漏れたら、世界中のペンギンとマッチョがこの店に集まってしまうだろう」

「まぁまぁパニックになるね、それは」


「だから、こっそり注文しようね」

「…うん、わかった。ちょうど、ノドが渇いていたの」

 


「まずはこの夏、イチオシメニューの【こちるごおり】だよ」

「わあ〜! 見た目が鮮やか」

 


「捕まえたばかりの新鮮なイチゴを生きたまま凍らせて、削ってかき氷にしてあるんだ。ミルクシロップと練乳をかけて食べるんだよ。360mlカップに入って600円」

「それ、絶対に美味しいやつ! 女はイチゴに弱いのよ〜」

 


「そして、こちる特製の【バナナミルク】。フレッシュなバナナミルクはそれだけでも最高なんだけど、こいつには裏メニューのトッピングとしてプロテインがたんまり入っているんだ。まさにマッチョのためにあるようなドリンクだよね」

「プロテインっすか」


「こんな女の子が好きそうなお店で、マッチョ御用達のプロテインが出てくるとは思わないだろう? だが、プロテインというのはタンパク質。肌や髪の毛にとって大切な栄養素で、美容にも良いんだ」

「なるほどね。プロテインがマッチョのものだけだと思ったら大間違いなのね」


「このバナナミルクはマッチョサイズ(BIGサイズ)で600円。トッピングのプロテインが+150円なんだ。ちなみに今日はココア味のプロテインが入っているよ」

「チョコバナナっぽくなって美味しそう」

 


「さあ、飲もう。手軽に美味しく栄養を摂取できて、なおかつ避暑スポットとしても最適。亀戸にはこんな素敵なお店があるんだね」

「亀戸の魅力は底が知れないわね」

 


「うん、今日も最高の味だ。夏はやっぱり、プロテイン入りのバナナミルクだわな」

「こちるごおりも最高〜! シャリシャリとした食感にイチゴの果実をしっかり感じる。ほどよい甘さのミルクシロップ&練乳がイチゴの爽やかな酸味とマッチして、無限に食べられる味ね」


「亀戸には6万人以上の人間が住んでいるけど、この店の存在に気がついているマッチョはほんのわずかだ。人気が出てマッチョの行列ができると厄介だから、なるべく知られないようにしたいね」

「6万人中のマッチョの割合によるけどね」


「さて。冷たいドリンクを飲んで元気が出たところで、ちょっと身体を動かしにいこうか」

「身体を動かす? 暑い中、運動をしたらもっと暑くならない?」


「大丈夫。とっておきの避暑地があるから」

 

 

 


「やってきました、竪川河川敷公園。ここの避暑力もすごいんだぜ」

「首都高の高架下沿いに伸びる縦長の公園ね。以前、雨の日に鯉と遊んだ思い出があるわ」


「この公園自体を首都高速7号小松川線が覆う形になるので、道路が雨よけになるから雨の日でも遊べるんだよね」

 


「この公園にはアスレチック遊具(スポーツ器具)がたくさんあるので、懸垂(けんすい)棒を使って懸垂をしたり…」

 


「雲梯(うんてい)を使って懸垂をしたり…」

 


「とにかく、棒状のものにぶら下がって懸垂したりできるんだ」

「そんなに懸垂したくないよ。夏に」


「SASUKEに出場する際は、ここで鍛えてから本番に挑んで欲しいね」

「亀戸にわざわざ来ないよ。SASUKEの有力選手は」


「しっかりと懸垂で汗を流したら…」

 

 

 

シュッ シュッ〜!!! プシュ〜!!!

出た! マイ霧吹き!

 

 

 


お待ちかねの納涼タイムでやんす〜

 

 

 

「ああ〜、気持ちいい。避暑力、上がる〜」

 

 

 


エクセレ〜ント

「マイペース過ぎる」

 


「僕たちマッチョは筋肉量が多いから、基礎代謝が高く、普通の人よりもカロリーを多く消費している。一日に3000kcalほどかな。また、筋肉を稼働させると熱が発生するし、どうしても暑さには注意しないといけないんだ」


「それだけに、マッチョは避暑地に敏感ということなのさ」

「でも、さっきから避暑地と関係ないよ。やり口(霧吹き)が」


「まぁまぁ。落ち着いて、まゆこちゃん。これから向かうところは文句のない避暑地だから」

「わかった。期待してるね」

 

次回予告

初対面のマッチョ、マイケル亀岡のやり口に戸惑いながらも、亀戸で涼がとれそうな場所を探索していくまゆこ。

全国的に自粛ムードが広がる中、少しでも多くのオススメの避暑地を見つけて紹介したい。

軽井沢に勝ちたい。

そんな強い思いがまゆこを突き動かす。

 

しかし、予想外のハプニングが起きて、まゆこは隠されていたマイケル亀岡の秘密を知ることになる。

果たして彼は何者なのか? 亀戸でさらなる避暑地を見つけることはできるのか?

 

後編へ続く

 

スポット(避暑地)紹介

スポット名:羽亀(亀戸駅前公園)

住所:〒136-0071 東京都江東区亀戸2丁目21−9
アクセス:JR総武線「亀戸」駅 徒歩1分
開園時間:24時間(噴水が出る時間は不明)

 

スポット名:亀戸天神社 敷地内

住所:〒136-0071 東京都江東区亀戸3丁目6−1
アクセス:総武線「亀戸駅」下車 北口より徒歩15分
開門時間:06:00〜17:00

 

スポット名:こちる (cochill juice)

住所:〒136-0071 東京都江東区亀戸7-9-14 ビアーレ亀戸1F
電話番号:03-5875-5116
アクセス:JR総武線「亀戸」駅 徒歩5分
営業時間:平日・土日 10:00〜20:00
定休日:木曜日

 

※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

Edit by カメイドタートルズ編集部