【後編】もう人生何回目？！酸いも甘いも知り尽くした亀戸ママの人生相談室

「男は中身で勝負よ」ママのベテラン恋愛観

「なるほど。じゃあまずは何から行動に移せばいいですかね。」

「まずはLINEとか電話番号を聞くのがいいんじゃないかしら。」

「（いきなりハードルが高い。）」

「やっぱりコミュニケーションが大事だからね。相手を知って、自分を知ってもらう。そうしていろんな子にアタックするのよ。ただし、あんまりガンガンいきすぎちゃうと引かれるから、バランスは大事よね。」

「はい。ただ、僕ガラスのハートでして。女の子に連絡先を聞いてダメだった場合、かなりの精神的ダメージを負ってしまうんですが。」

「それはね、むしろいいことだと思いますよ。だって人の気持ちがちゃんと分かるってことでしょう？繊細なのはいいことです。」

「（なんかうまく丸め込まれた気がしないでもない）なるほど。じゃあ出会いの場も増やした方がいいんですかね〜。」

「職場だけとかで考えてちゃアウトよ。恋愛って縁とタイミングなの。うちで働く女の子の中にだって、お客さんと結婚した子がいるんですよ。そういうときってビビッと来るものじゃない？どこに縁が転がっているか分からないんだから、もっと女の子がいる場所へ行かないとね。」

「勉強になります…！でも一つ心配なことがあって。」

「？」

「僕、イケメンとは程遠いんですが、あいつらに勝つにはどうしたらいいですか？」

「外見は関係ないわよ〜。男は中身で勝負！」

「うぅ…、心強いお言葉ありがとうございます。とりあえず明日から頑張ってみます」

「そうよ、まだまだ若いんだから。」

「ちなみに、ママの好きな芸能人は？」

「キムタクかしら。顔が好きなの♡」

お店の壁は30年かけてセピア色に

「（恋愛相談も一段落したし、せっかくだからしっぽり飲もう…。）お店の雰囲気、レトロですごくいい感じですよね」

「よく言われるのよ〜、それ。この壁の色はね、みんなが吸うタバコの色で綺麗にセピアになったの。でもね、最近は電子タバコが多いでしょ？だから数年前から壁の色がずっとこのままで変わらなくなったのよ。むしろ、お客さんより女の子たちの方がタバコ吸ってます。」

「へえ〜、時代を感じますね。」

「私、広島出身なんだけど、こっちでお店を譲り受けてからもう30年もやってますからねえ。出てきた当時は道で酔っ払った人が寝てるのを見て、都会って怖い場所だなって思いましたけど、この街は温かいですよ。」

「亀戸で30年もやってきたんですね。じゃあこのお店には30年分の思い出が詰まってるわけですね。」

「そ、この鮮やかな赤色のシートなんか見ると、まさに昭和って感じしません（笑）？なぜかスナックのシートってこの色が多いのよ。でも、色彩効果じゃないけど、赤色だといくら飲んでも酔わない、楽しい時間が続くような気がするの♡」

「お店にあるこうした一つ一つのアイテムがこの雰囲気を醸し出してるんですね。今日は相談に乗っていただいてありがとうございました。お酒、美味しかったです。」

「ぜひまたいらしてくださいね♡」

恋愛相談に関してはなんだか腑に落ちないものがあるが、それでもいいやと思えるほどママとのおしゃべりが楽しくてお酒もはずんだので良しとする。

こうして筆者は夜の亀戸をあとにしつつ、ひっそりと「またママに会いに来よう。恋愛の経過を報告しに。」と心に誓うのだった。

美人スタッフとあたたかな雰囲気を味わうなら「ナイトスポットまこと」へ

雰囲気のあるちょっと薄暗い店内に、楽しそうな笑い声。スナックはまだ昭和の空気と、まるで家族のような温かい居心地が残っている場所だった。

テーブルには店名の入ったライターと灰皿。カラオケのデュエットで場を盛り上げてくれるママの笑顔を、スナック特有の印象的な赤いシートがより映えさせてくれる。亀戸に立ち寄った際は、ナイトスポットまことでどっぷり昭和レトロに浸ってみるのもいいかもしれない。

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