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  • >【前編】餃子の香りとともに漂う昭和。老舗「亀戸餃子本店」でしこたま餃子食べてきた

餃子。その歴史は古く、餃子が生まれた地である中国では紀元前から食べられてきた。
現代では日本でもすっかり国民食的な地位を得て、我々の胃袋をがっしりと掴んで離さない。

そんな餃子が日本人の生活に定着する前から、60年にわたって餃子を提供してきた専門店が亀戸にあるという。

そのお店の特徴は、独自のシステム。お店のメニューは餃子オンリーという強気な設定!さらにルールとして一皿5個入りの餃子を最低二皿食べること、お皿の餃子が少なくなってくると店員さんがおかわりを聞いてくるなど、一風変わったこだわりがあるようだ。ただし、噂によるとジューシーかつしつこくない味で、女性でもぺろりと食べられてしまうという。

いったいどんなお店なんだ…。百聞は一見にしかずということで、味以外にも気になる要素満載のお店にさっそく足を運んでみることに。

開いた引き戸から香る餃子の匂いにつられて亀戸へ

こちらが噂のお店、亀戸餃子本店だ。

ひと目見て分かるこの老舗感!木張りの外壁と、開いたすりガラスの引き戸から漂ってくる餃子の香りに引き寄せられ、休日には長蛇の列ができるほどの人気店なのだ。

今回のお店は60年続く味を提供しているということで、こんがり焼けた餃子をしこたま食べることで、写真越しにでもその美味しそうな雰囲気をたっぷりお届けしたい。

しかし、老舗ということで失礼があってはいけない。礼儀正しく、次々に来る餃子をわんこそばのように食べられて、インパクトのある画が撮れる、そんな人物いるわけ…。

「いますよ」

いた。

そう、この男こそ東京出身の”クレイジーキッド”、プロレスラーであり総合格闘技もこなす竹田誠志その人である。プロレスでは基本的にデスマッチを戦い、「デスマッチは趣味」と言い張るほどのクレイジーっぷり。

しかしこの男、界隈では礼儀正しさに定評があり、何よりそのたくましい肉体を見ていただければ今回の企画にぴったりの人物であることは疑う余地がないだろう。

しかもここ亀戸はJR総武線が通る駅。同線水道橋駅にある後楽園ホールはご存知プロレスの聖地であるとともに、両国駅にある両国国技館でも数多のビッグマッチがおこなわれてきた。

亀戸とプロレスのそんな縁を知ってか知らでか、「今日は何も食べてきてないんですよ」と本人もやる気満々の様子だ。

そこまでしてもらったことに申し訳なさを感じていると、「いえ、たまたまっす」と気まずい空気が流れたことはさておき、いざ入店。

店内には餃子の香りとともに昭和レトロが漂っていた

「いらっしゃい!」

のれんをくぐるとまず感じたのはなんとも懐かしい香り。カウンターのすぐ横で餃子を焼いているということだけではない。あの頃を彷彿とさせる昭和レトロな香りが漂っているのである。

「いいっすね」

奥の座席を案内された我々が、昔ながらのお店にありがちな細い通路を通っていると竹田が思わずニヤリとつぶやく。これから悪役プロレスラーを倒そうとするかのようなその表情に、若干店内がざわついた気がする。

いくらでも食べられそうな餃子をわんこ状態でパクリ!

そして事件は次の瞬間起こった。竹田がまさに腰を下ろした矢先、

「はい、どうぞ〜(コトッ」

「…うぇ!?」

ワンテンポ遅れて変な声が出た竹田。

説明しよう!亀戸餃子本店の食事メニューは餃子のみ。そして、一人2皿のノルマがある。そう、つまり注文など始めから不要だったのだ!

普段リングの上ではあまり見ることのない表情をいただいたところで、いよいよきつね色にこんがり焼けた目の前の餃子に箸をつける。

「いただきます」

(ギロリッ)

突然竹田の表情が変わった。これから彼には餃子をしこたま食べていただくが、彼にとってこれはどれだけ食べることができるかという自分自身との戦い。リングの上と何ら変わりはないのだ!そして、

(パクッ)

「店主、めちゃくちゃうまいっす(ニコッ」

こんがり焼けたパリパリの皮の中には、ジューシーさを失わない程度に野菜をたっぷりと配合した絶妙なバランスの餡。一つ一つの大きさもまさに一口サイズといったところで、これには竹田も「何個でもいけますよこれ」とコメント。

一瞬で一皿目を完食する直前、また事件が起きた。

「はい、これおかわりね」

残っている餃子を器用にすくって、新たなお皿へと移し替える店員。為す術なくそれを見つめる竹田。

説明しよう!このお店ではおかわりをするたびに、残った餃子を新しいお皿に移し替え、どんどん積み上げていくのだ!これぞ、「秘技・わんこ餃子」ッ!!!

「なるほどね、このシステムありがたいっす」

2皿目ということもあり、まだまだ余裕のコメントと表情を見せる竹田。

食べてはすくって、

すくっては食べ、

あっという間に6皿目を迎えようかというタイミングで、竹田の箸が止まる。そして妙に壁の方へ視線を送り始めた。

その先には…。

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【後編】餃子の香りとともに漂う昭和。老舗「亀戸餃子本店」でしこたま餃子食べてきた

Edit by カメイドタートルズ編集部