【前編】インスタント麺愛好家とインスタントラーメンショップを堪能してみた

亀戸駅北口から徒歩3分。雑居ビル群の中にその店はある。
主に日本各地のご当地インスタントラーメンを取り扱うセレクトショップ「R select（アール セレクト）」。

店主がセレクトしたインスタントラーメンだけの棚はまさに圧巻。普段のスーパーではお目にかかれない商品がズラリと並んでいる。

今回は、そんなインスタントラーメンショップとインスタント麺愛好家によるインスタントラーメン愛溢れる世界をご紹介する。

インスタント麺愛好家×インスタントラーメンショップ

R selectの澤井さんと、インスタント麺愛好家の大山即席斎さんをゲストにお迎えした。

即席斎さんは、30年以上毎日インスタントラーメンを食べ続け、今まで食べたインスタント麺は2万食という情熱っぷり。さらには、『TVチャンピオン』のインスタント麺通選手権優勝者であり、『マツコの知らない世界』ではインスタントラーメンの有識者として番組に出演するほど、その界隈では名の知れている方なのだ。

「はじめまして、大山即席斎です。本日はよろしくお願いします」

「はじめまして。今回は即席斎さんに会えるとのことで、とても楽しみにしていました」

インスタントラーメン愛好家とインスタントラーメンショップの代表が出会った瞬間である。インスタントラーメン界では、歴史的一歩に違いない。

インスタントラーメンにハマるきっかけは何だったのか？

まずは軽い挨拶も含め、お二人がインスタントラーメンにハマったきっかけについてお聞きした。

「僕は、お店に携わってからですね。よく食べてはいたのですが、ガッツリと向き合ったのはこのお店ができてからです」

「馴染みのあるインスタントラーメンやカップ麺ってありますか？」

「僕はスーパーカップやチキンラーメンですかね」

「私は1979年に大学に入ったのがきっかけです。下宿をしていたのですが、自炊をする必要があって。凝った料理も作っていましたが、手軽なものも挟みたいと取り入れたのがきっかけです。その当時は年間150食くらい食べていたかな」

「150食！？」

「次第に毎日違う味を食べたくなって、スーパーの棚の端から端まで食べてみようとのめり込んでいきました」

「そして食べ続けた結果、テレビチャンピオンにも出させていただいて、幸いなことに優勝した訳です。そうなると、周囲の人が『あの新商品って美味しいの？』と聞いてくるようになりまして。答えない訳にもいかないので、新商品をチェックする癖がそこでつきました」

「すごい情熱ですね。1979年から食べている・・・。僕1980年生まれなんですよ。僕が生まれる前から食べているということはある意味、僕です」

「うん？」

インスタントラーメン通が選ぶインスタントラーメンとは？

少しお互いの緊張がとけたところで、棚からお二人におすすめ商品を紹介してもらった。

「ん〜。悩むけど・・・」

「僕はこれです。喜多方担々麺！」

「喜多方ラーメンと言うと醤油が有名ですが、こちらの商品は担々麺なんです。そんなに辛くなくて、食べやすいんです。麺がスープに絡むようこだわっていて、美味しいんですよ」

「平打ち麺で、喜多方らしいですよね」

「人気ランキングにも入っていて、今売り切れで手元にないのですが、屋久島ラーメンもおすすめです」

「羽田空港の自販機で売ってるやつだ」

「・・・その情報は知らなかったですね」

「お、私はこれだな。利尻昆布ラーメン」

「麺が緑色なんですよ。これは昆布が練り込まれているからです。そして、裏側を見てもらえますか？」

「販売者が利尻漁業協同組合なんです。つまり、製麺会社ではなく利尻昆布を取っている人たちが作っているんですね。利尻昆布を知り尽くした人のインスタントラーメンという訳です」

「なるほど、プロは販売業元まで見るのか。着眼点が鋭い・・・」

「ちなみにこちらの札幌円山動物園ラーメンは、マツコの知らない世界で紹介したところ、翌日の売上げが10倍になったと聞きました（笑）。塩味で麺の歯ごたえがある美味しいインスタントラーメンですので、ぜひ」

「す、すごい」

インスタントラーメンをアレンジ調理してもらった

ここR selectには、イートインコーナーがある。棚から選んだインスタントラーメンにトッピングを選んで作ってもらうことができるのだ。

「先程、お気に入りのラーメンを紹介しましたが、これだけあるといつもと違うインスタントラーメンを選びたくなってしまいますね」

「何か気になったものはありますか？」

「これかな」

「意外なチョイス」

「今の気分がこれなので選びました」

「トッピングはこちらからお選びいただけます」

「やっぱりチーズかな」

「相性抜群ですよね。締めにご飯を入れて、リゾット風にするのも美味しいです」

「間違い無いですね！」

「僕はそうだな・・・まぐろラーメンで！」

「おすすめのものではないんだ。私と同様に今の気分？」

「そうですね（笑）。これを食べる時は、練りわさびを入れるんです。美味しさがさらに増しますよ。そこに煮玉子、刻みネギ、メンマをのせます」

お二人のインスタントラーメン選びが終了。ここから澤井さんが厨房にて調理してくれるとのこと。

「では、作ってきます」

「あ、待ってください！その袋いただけますか！」

「袋・・・？」

「パッケージ集めてるんです」

「もはや研究家の域ですね・・・！」

「家に溜まってて正直邪魔なんですけどね。集めないと気が済まなくて」

インスタントラーメン通のお二人によるアレンジラーメンは後編で紹介する。

後編へ続く。

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