出会った時は気弱なイケメンだった亀宮遥。しかし、アクティビティをするとドSキャラに急変してしまうちょっと変わった男だった。
彼についての謎はいまだ深いが 、我々は引き続き竪川河川敷公園を探索していく。
前回の記事はこちら。
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「おい、水飲み場だ!走れノロマ!」
「ズズズズズズズズズズズ」
「本当に、水をよく飲みますね」
「僕の水分補給でお手間を取らせてしまい申し訳ございません。」
(あ、また気弱なはるかくんに戻った?)
「緊張であまり覚えてないのですが水上アスレチックの撮影どうでしたか??僕ちゃんとやれてましたでしょうか?指示していただければ水に落ちるとかなんでもいたします」
「やっぱりドSキャラの時の記憶は無いんだ。いえ、気にせず」
「ありがとうございます。あ、次はパターゴルフ場ですか?バンカーの砂でも食べましょうか?」
(ドSから一転して気弱キャラなんだよな)
「着きました。ここがパターゴルフ場です」
「……大変申し訳ございません!僕、実はゴルフやったことないんです。クラブも持ってきておりません。気が利かなくて、本当に申し訳ないです…。今すぐ買って来ます!」
「あ、待ってはるかくん。このパターゴルフ場は無料でクラブとゴルフボールがレンタルできるので、買いに行かなくて大丈夫ですよ!手ぶらで遊べる施設なんです。
……ってあれ?はるかくん?」
「おい、ウスノロ」
で、でた。アクティビティでドSに変幻したはるかくんだ。
「聞けよ愚民。よく聞け。パターの基本は軌道をしっかりと描くことだ!そのラインに沿って振り子のように真っ直ぐ打つことで正確なパターを決めることができる。わかったか?愚民?」
「はるかくん!?ゴルフはやったことないんだよね!?」
「たわけ!俺に不可能はない!うおぉぉぉぉぉ!」
「……」
「まあ、そんなこともありますよ。気にしないでください」
「案外優しいな…お前。だが今のは忘れろ。でなきゃお前の脳天にホールインワン打ち込むからな」
「もう忘れてるのでご安心ください」
「図に乗るなよ。とにかくお前もやってみろ。俺にできないことがお前にできる訳ないから」
「おい、そんな持ち方じゃダメだ!貸してみろ!」
(えっ!何だよ…!?)
「ロクに握れもしないのか。もっとグリップの真上に親指が乗るようにして、手首がブレないように…」
(ドSキャラの中に垣間見える優しさ!あっ手が触れている…!それに顔が近い…顔が…顔!!)
「おい、聞いてんのか?」
「す、すみません!(何でこんな奴に俺は動揺してるんだ…!?)」
「それにしても、お前の手は小さいな…」
「うわぁぁ!!強く握るな!そういうの慣れてないから!」
「そんなに嫌がらなくてもいいだろ!お前の顔バンカーに埋めても良いんだからな。と言うか、さっきから様子が変だぞ?」
「それ、はるかくんだけには言われたくない。あとここにバンカーはない」
「ファーッ。喉が渇いたな…おいお前水買って来い」
「えっ!もう水…飲むの…?また気弱キャラに戻っちゃうんじゃないの?」
「あ?どういう意味だ?」
「いや!あの次に行く亀戸中央公園にも水飲み場があると思うので、とりあえずそこまで歩きませんか?」
(どうしたんだ俺は…。はるかくんのペースに完全に飲み込まれている。ドSキャラの中に垣間見える優しさ、そして手を握られた時、不覚にもときめいた。もう少しこの俺様キャラなはるかくんと、一緒に居たいと思ってしまう自分がいるんだ…)
「うおぉぉぉぉぉ!広場も遊具もあるぞ、良い公園だ!走れ愚民!」
「ちょっと静かにしてくださいね。ここは亀戸中央公園です。ペットとの散歩コースやランニングコース、子ども達の遊び場として亀戸住民たちに親しまれているんですよ」
「よし、俺の華麗なシュートを見せてやるぞ」
「どこからボールを?」
「いくぞおぉぉぉぉ!」
ボールが消えた……?!
(俺の後ろに?!速すぎて全く見えなかった…)
「何してる!ちゃんとボールを止めろ!ノロマァ!」
「いや、速すぎて無理です!無理無理!」
「好きなんだ!!!」
「えっ……!?またそのパターン!?急すぎるんだよ!」
「好きなんだ!…だから、ちゃんと受け止めろよ!」
「え?今度は本当に本当のパターン?ちょっと考えさせてください1週間くらい!」
「お前は好きじゃないのか?ちなみに選択肢は好きしかないぞ」
「その…えっと…えぇ」
「俺は好きなんだ!パス練!」
「は?」
「試合ももちろん好きだが、パス練は気持ちと気持ちが通い合う感じがしないか?魂の共鳴を直に感じることができるだろう」
「ああ…なるほど…。すごい振り回されるな…でも、悪くない、なんて…」
「散々蔑んだが、俺にはお前しかいない」
(これもまた、俺じゃなくてボールに話しかけてるんだろうな…)
「お前しかいない、和也」
「え!今度こそ俺?!」
「お前も薄々気づいていたと思うが、緊張したり冷たいものを摂取し過ぎると我を失って弱々しい自分になってしまうことがあるんだ」
「え!こっちがメイン?!水を飲むとキャラが変わってしまうのはそういうことだったのか…」
「和也はそんな俺にも優しく接してくれて、愚民の中でも良い奴だ。今日は和也と体を動かせて楽しかった。礼を言う」
「そんな…。俺の方こそ新しい扉が開けた気がします!」
「公園の近くにこんな綺麗な河川敷があるのか…亀戸は良い町だな」
「ここは旧中川が流れる河川敷です。四季折々の風景が楽しめるので、ランニングや散歩コースとしても人気の場所なんですよ」
「なぁ和也、俺とアクティビティしてくれないか?」
「もちろんですよ!亀戸には今日回り切れなかったアクティビティスポットがまだまだたくさんあるんです!」
「よし、さっきの水飲み場まで先に着いた方が勝ちだ!走れ愚民!」
「え?!待って!待ってー!」
俺はこの追いかけっこに敗れ、先に水飲み場まで到着していたはるかくんは元の気弱キャラに戻っていた。
今日はもうお別れだが、俺はまたはるかくんをアクティビティに誘いたいと思う。
だってはるかくんは、あの人は、あの人は…。
後日談
あの後、俺は撮影のお礼としてはるかくんにLINEをした。気弱キャラのはるかくんなのか、それともドSキャラのはるかくんなのか。どちらのはるかくんが返信をくれるのか期待しながら。
ピコーン
第3のキャラクター出現!?!?
——完——
スポット紹介
住所:〒136-0071 江東区亀戸6丁目33番10号
電話番号:03-5875-2319
アクセス:JR総武線亀戸駅 徒歩10分
利用可能時間帯:9:00~16:30(16:00受付終了)
住所:〒136-0071 東京都江東区亀戸9丁目37−28
アクセス:JR総武線亀戸駅 徒歩10分
住所:〒136-0071 東京都江東区亀戸9丁目37−28
アクセス:東武鉄道亀戸線亀戸水神駅 徒歩6分
Edit by カメイドタートルズ編集部