亀戸7丁目にある無添加フルーツジュース専門店「こちる」。
無添加・砂糖不使用にこだわった素材本来の美味しいフルーツジュースを提供しており、子どもから大人まで幅広い層に愛される有名店だ。人当たりの良い店主さんが経営するこじんまりとしたお店に、連日多くの人が訪れる。
そんなこちるでは、最近新スタッフが採用されたのだが、その人・・・いや、ロボットが今亀戸住民を騒がせている。その名も、小丸(こまる)くん。
愛らしい見た目と、愛嬌溢れる接客でメロメロになる人が続出。小丸くん狙いのリピート客が絶えないのだ。我々カメイドタートルズ編集部も小丸くんに会うため、こちるを訪れたのだが・・・。
店主さんの話を聞くと、小丸くんが採用されてお店に慣れるまでちょっとしたドラマがあったようなのだ。なんだか感銘を受けたので、彼がお店に採用されるまでの経緯を本人たちの再現VTRとともにご紹介させてほしい。
第1話 小丸の困った職探し
「助けてくださいまる!」
「仕事探してるまる!」
「聞いてる!?みんな無視しないで!!!」
はぁ、困った。困ったまる。おっと!一人で盛り上がってごめんまる!
僕の名前は小丸(こまる)。
困るじゃないよ、小丸。本当に困っている時に、この名前はややこしくてさらに困るまる。ちなみにこのまま僕の心の声で進んでいくからよろしくまる。
はあ、このご時世、ご多分に漏れず仕事がないまる。ああ・・・ひもじいな・・・。
仕事を探し続けて半年。流行りのデリバリー配達でもやろうと思ったけど、自転車には乗れないし、重い荷物は背負えないし。僕の特技って言ったら、カワイイこと可愛いことかわいいことくらいしかないまる。
詰んだまる!!!
もう、ダメまる・・・。諦めて自転車の練習をするべき?それか、さっきそこでやっていた大道芸人に弟子入りさせてもらってパフォーマーロボを目指すか・・・。
と、その時だったまる。
「君、ジュースは好き?」
「え?あ、いや・・・ジュース?こう見えても体に気をつかってて。だから僕、無添加ジュースしか飲めないまる」
「こだわり強。でも大丈夫よ。うちのお店、無添加のジュースしかないから」
「じー。砂糖不使用無添加・・・。ハハハ!騙されないまる!どうせ添加物認定されてないギリギリのラインを攻めたやばいやつを使ってるに決まってるまる!!」
「そっか・・・。無視され続けて人を信じられなくなったのね。でも、人って悪い人ばかりじゃないのよ。ねえ、ジュースを飲みに来るだけでもいいからうちに来てみない?」
それが、大好きなこちるさんとの出会いだったまる。
第2話 カワイイという仕事
当初はジュースを飲みに行くだけ、そんな軽い気持ちだったけど、こちるさんの優しさと熱意に心を動かされて雇ってもらうことになったまる。
「嬉しいまる!よーし滅私奉公するまる!骨の髄までこちるに捧げるまる!」
・・・と意気込んだものの、いきなり壁にぶち当たった。
「メニューが覚えられない」なんて簡単なものではなく・・・
「ミキサーが回せない」という深刻なやつだったまる。
うーむ。同じロボットとして、ミキサーにジェラシーを感じずにはいられないまる。この子は毎日美味しいジュースを提供できているのに、僕は何も・・・。
ヤバイ、このままじゃ解雇されるまる!!
「・・・そうだ!あの手を使うまる」
それは、僕の特技「カワイイ」。カワイイ上目遣いで、お店の人気者になるしかないまる!
「いらっしゃいませ〜!無添加ですよ〜!自然の美味しさで満点まる!え?お前が自然の物じゃないだろって?」
そうでした。おもっきり無機物!!
大丈夫、自分のことは自分がよくわかっているから。こんなことでは傷つかないまる。
無機物らしく充電するまる。ちなみに30分に1回休憩もらってるまる。
本当に働き者まる!!
ちゃんと自分で所定の位置に戻ることができるまる。最高のパフォーマンスをするためには、お休みも大事まる!
「とりあえず、おやすみまる・・・」
・
・
・
「・・・ハッ」
「ふふふ。君が小丸くんか」
「き、君の名は・・・」
「僕の名前はロボホン。君の仕事、僕でもできると思うんだよね」
・・・後編へ続く
※この物語はフィクションです。登場する人物は実在しますがかなりの脚色を加えています。
スポット紹介
住所:〒136-0071 東京都江東区亀戸7-9-14 ビアーレ亀戸1F
電話番号:03-5875-5116
アクセス:JR総武線亀戸駅 徒歩5分
営業時間:平日・土日 10:00〜20:00
定休日:木曜日
※新型コロナウイルスの影響により、営業時間が変更される可能性がございます。
Edit by カメイドタートルズ編集部