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  • >【恐怖】バトル勃発!?お坊さんと行く亀戸除霊の旅〜おいてけ堀の実態に迫る〜【後編】

合掌は右手が仏、左手が人々(衆生)を表している。
右手と左手を合わせることで、仏と衆生が一つになって、仏に成るのだ。

「チャーハンもまた衆生。私が食べることで成仏するのです・・・」

「しゅじょう?何それ?」

「あなたも衆生・・・私も衆生・・・そしてチャーハンもまた衆生・・・」

亀戸の老舗「ラーメンya」の大盛りチャーハン(約1kg!)を目の前に静かに説法を始めた僧侶。

それは、「生きてて当たり前」という自己の“おごり”と“甘え”の反省からくるものであった。それもそうだ。あんなことがあっては、そうせずにはいられないだろう・・・。

それは、我々が「おいてけ堀」を調査している時のことだった。

と、その前に流れがよくわかっていない方は前編からご覧になってほしい。

お坊さん覚醒!「置いてけ〜」の正体が明らかに!

「おいてけ堀」

亀戸近辺に伝わる本所七不思議の一つ。

堀の中から「置いてけ〜」と声が聞こえ、釣った魚を置いて行かねば堀に引きずり込まれるという。

いささか理不尽な物語ではあるが、しかし、貧困ゆえに堀に身投げした霊魂の仕業とすれば穏やかではいられない。そこに浮かび上がるのは悲痛な現実なのだ。

我々メディアはそのような弱者の声にこそ、耳を傾けるべきなのである。

・・・そのような信念を持って「おいてけ堀」の調査に乗り出したわけだが、それは、二つ目のおいてけ堀、錦糸堀公園で見事に打ち砕かれた。

なんと「置いてけ〜」と声を上げていた正体は・・・

ただの濡れ河童だったのだ!

調べによると(初めから調べろよ)、“声”の正体は河童とも狸とも言われているというが、墨田区は河童推しだとか。

「・・・河童ですね」

「はい。マスク姿がまた呑気で、悲痛さのかけらも感じられません」

「河童が釣り人に、釣った魚を置いてけって言ってたのでしょうか?」

「そうみたいですね。貧困ゆえに身投げした霊魂とかじゃなかったですね」

「というか、河童の方が魚取るのうまいんじゃないですか?」

「見たことないんでわかりません」

「いやいや・・・自分も生臭坊主の自覚はあるけど、ちょっとこれは生臭すぎるだろ(怒)!」

 

除霊だぁぁ!!

 

今まで服装以外でほとんど僧侶であることを感じさせないお坊さんだったが、ここにきて様子が変わった。仏具を取り出し、河童に向かって般若心境を唱え始めたのだ

激しい雨の中、坊主と河童の一騎討ちが始まった。


「空即是色 受想行識亦復如是 舎利子 是諸法空相 
不生不滅 不垢不浄 不増不減 是故空中・・・」


戦いである。

河童の中に垣間見る、己との戦いである。


芸人がダメでも田舎に帰って寺を継げばいいさと呑気な自分・・・

 


同棲する彼女におんぶに抱っこだった自分・・・

 



どうせ画像しか使われないからと、ろくに準備もしてこなかった本案件に対する自分・・・

 

・・・そんな様々な自分を悔恨しながら、彼は河童と対峙したのだった。

「ぬぉぉっー!!」

「私たちが見たかったのはこれよ!これなの!!!」

 

町中にこだまする木魚の音が、心を巣食う濡れ河童に容赦無くダメージを与えていた。

彼の戦いはまだ終わらない

ここで最初に紹介した「ラーメンya」のパートへと戻る訳である。取材当初と比べて、とても健やかな表情を浮かべるお坊さん。

「いや、本当に心がスッキリしました。下手な瞑想よりよっぽどいいです」

しかし、運ばれてきた名物の大盛りチャーハンを見て彼は「インスタにあげよう。いいねもらえるかな」といきなり承認欲求丸出しでスマホを取り出した。

そんな人間臭いお坊さんに、編集部一同なんだかすっかり心を奪われてしまったのだが、おそらく読者の皆様はすっかり“おいてけぼり”になっていることだろう。

これが「おいてけ堀」の真実である。

ちなみに「おいてけ堀」は、各地に点在しており、亀戸周辺であれば今回紹介した「江東区立第三亀戸中学校」、「墨田区立錦糸堀公園」そして「両国の御竹蔵跡」などがある。

ぜひ、歴史に触れながら町を探索してほしい。

 

スポット紹介

スポット名:墨田区立錦糸堀公園
住所:〒130-0022 東京都墨田区江東橋4丁目17−1
アクセス:JR総武線錦糸町駅 徒歩1分

スポット名:ラーメンya
住所:〒136-0071 東京都江東区亀戸6丁目35−8
電話番号:03-3682-6296
アクセス:JR総武線亀戸駅 徒歩7分
営業時間:11:00〜15:30、17:00〜20:00(L.O 19:30)
※情勢により変更の可能性もあるため、来店前にSNSをチェックしてください。
定休日:日曜日・祝日

Edit by カメイドタートルズ編集部